溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
 ショッピングを楽しみ、夜は夜景を眺めながら楽しむ鉄板焼きのレストランをチョイス。椿などは中華街を行くのかと思っていたので意外だった。聞けば「中華はもう前に言ったから」と屈託なく微笑まれ、その笑顔にまたしても見惚れてしまう始末。

 分厚い肉が鉄板で焼かれ、岩塩やワサビで食すのは絶品だった。また海鮮もあり野菜もありでメニューも盛りだくさん。〆のガーリックライスに至る時にはお腹いっぱいになっていた。とはいえ、デザートはしっかりと平らげたが。

 店を出るとまた夜の海風に当たりながら、通りの売店で買ったソフトクリームを片手に散策する。夢のような時間だった。

 行きとは違い、今はれっきとしたカップル。もう「どうしてそんなに優しくしてくれるの?」と悩む必要はない。愛されているからこうやって手をつないで歩いている。

(匠さんがわたしの、カレシ? ホントに?)

 そう疑問を抱いても、手からはぬくもりが伝わり、隣には真壁がいる。声をかけたら返事をしてくれるのだから間違いない。

 好きだと言ってくれたその言葉が椿は新しい強さと希望を与えてくれた。

(匠さんはわたしのカレシなんだ。もう公私混同してはいけないとか思わなくていいんだ)

 夜景が麗しい中を歩き、赤レンガ倉庫に行ってアップルパイを購入して車に戻る。行き同様、湾岸線を通って一路自宅へと進んだ。

< 105 / 186 >

この作品をシェア

pagetop