溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
(そうよ。マリさんは知らないから友好的に誘っているけど、こっちは事情を知ってるんだもん。それで出向いていってニコニコしていたら、見下した態度だって思われる。わたしがいろんなこと悩んで決めたなんてきっと通じない。逆の立場だったら、わたしだってそう思うよ)

 あなたは匠さんに相手にされていないからわたしも眼中にないんで会ってあげる――なんて取られたら大変だ。状況を全部把握しているからこそ、身の置き所には注意しないといけない。さっき叔母が言ったように、驕っていると受け取られないよう注意せねばと思い直した。

(やっぱり、断ろう)

 アプリを起動させてさっきのメールを展開する。謝罪とともに、しばらくは時間が取れそうもない、とリプした。

 するとすぐに返事がきた。

『それはざんねん! つばきににあうとおもう、ぺんだんとをかったの。ぷれぜんとしたいから、近いうちにかいしゃにいくわね!』

「ええ!」

 また会社に来る、それにプレゼントとは。

「困るぅ」

 マリにとっては恋敵なのに、そんなことをされたらきっとこじれる。

 椿はそのままベッドに横倒しに倒れた。

「どうしたらいいの?」

 さっきとは違う意味で泣きたくなってきた。

    ***
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