幸せの晴れ


あてもないまま私は街をうろついていた。


パンパンに詰め込まれたカバンを持ってウロウロしている私を、

周りの通行人がジロジロ見ている。


どうせ家出少女とでも思われているんだろう。


何もする事がないし、デパートの前で立ち止まり

歩いている人を眺めていた。


とりあえず今日、これからの事を考えてみる。


お金だって限りがあるし、マンガ喫茶に入り浸るわけにもいかない。


そんな事を考えていると、1人の男が近付いてきた。


「ねぇ、何してんの?」


ホスト風のその男は、見るからにチャラくて

きつい香水に私は吐き気がしてしまう。
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