幸せの晴れ


本来、清水さんはこの家に体や心を癒す目的で来ているはず。


なのに私がいる事によって、いつも私の気遣いばかりしている気がする。


そう思った私は、後片付けを終え部屋へと戻った。


しばらく今日買ったばかりの雑誌をペラペラめくっていると、

“コンコン”と部屋をノックする音が聞こえてきた。


「はい?」


ドアを開けるともちろんそこには清水さんが立っていて、


「私はそろそろ自宅に戻るよ。」


と言った。


「そっか。うん、わかった。」


玄関へと向かう清水さんのあとを追う。
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