幸せの晴れ


…そうだった。


すっかり忘れていたけど、今日は私の誕生日。


驚きで立ち尽くしていると、


「座って、座って。」


と、瑞穂ちゃんが手招きしてくれた。


晴陽を抱っこしたままテーブルの前に座る。


ケーキの上に乗ってるチョコプレートには

“ひなちゃん ハッピーバースデー”と書かれている。


どうやら瑞穂ちゃんの手作りみたい。


嬉しくて嬉しくて、気付けば涙が流れていた。


「うわっ、陽菜ちゃんどうした?
もしかして誕生日間違ってた?」


先に気付いた新くんが慌てて聞いてくる。


私は首を横に振った。
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