幸せの晴れ
ただ普通に会話をしながら、晴陽を真ん中に3人で手を繋いで歩いていたんだ。
「陽菜ちゃん…?」
突然、後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
条件反射のように振り返ってみると、
「うそっ…。」
私は一瞬で固まってしまった。
「やっぱり陽菜ちゃんだ。」
あの頃と変わらない微笑みを向けてその人は1歩1歩近付いてくる。
次第に私の目には涙がたまり、
「会いたかった。」
そう抱きしめられた瞬間、その涙は頬を伝って流れ落ちてしまった。
「晴也…。」
やっとの思いで出た言葉はたったそれだけで、
言葉の代わりに後から後から涙が流れていく。