人面瘡
車も持っていないあたしたちがそこまで探しに行くことは、とても困難だった。


なにか他にヒントがないかと思い、あたしは地図を覗き込んだ。


バラバラに印をされた箇所をジッと見つめる。


すると、ある形が浮かびあがって見えて来たのだ。


「雄生、これ見て!」


思わず大きな声でそう言っていた。


「なんだよ」


雄生が地図を覗き込む。


しかし気が付いていないのか、首を傾げている。


あたしたちの暮らしている街は丁度五つの方向に異なる県が隣接する形になっている。


五つ。


それは頭部を覗き、バラバラにされた残りのパーツと同じ数なのだ。


そして雄生が付けて行った印は、その五県にすべて存在していた。


「これ、絶対になにかあるよ」


あたしはそう言うと、鉛筆で印を繋ぎ始めた。

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