人面瘡
恋愛のジンクスという名の呪いは、まさにおつねにピッタリだったんだ。


「おつねさんのお墓とかはあるんですか?」


雄生がそう聞いた。


「あぁ。体が埋められていた場所の他に、体を一カ所に埋葬した墓があるよ」


「それ、どこですか?」


「すぐ近くだ。行ってみるか?」


春子のお父さんの言葉に、雄生はあたしを見た。


「行きたいです」


あたしはすぐにそう返事をしたのだった。
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