人面瘡
そう思い、あたしはしばらく他愛のない会話をしていた。


昨日のテレビや、最近のニュース。


会話は続くけれど、確信に触れられないため表面上をなぞっているだけのような虚しさがあった。


そして気が付けばあたしの家はすぐそばだった。


もう離れなきゃいけないなんて……。


そう思い、あたしは立ち止まった。


「アズサ?」


突然立ち止まったあたしに雄生も同じように立ち止まった。


「まだ、一緒にいたい」


自分の口からポロッと漏れ出した本音に、自分自身が驚いた。


こんなこと言ったら自分の気持ちがバレてしまう。


「な、なんでもない!」


あたしは慌ててそう言い、再び歩き出そうとした。


けれど、雄生があたしの手を掴みそれを止めた。
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