人面瘡
「知らないの? よくあるジンクスだと思ってたけどなぁ」


沙和はそう言いながら首を傾げた。


「そうなんだ? 初めて聞いた」


そう言いながらあたしは沙和の手にある絆創膏に視線を向けた。


「やってみる?」


沙和にそう言われてあたしは自分の顔がカッと熱くなるのを感じた。


きっと真っ赤になっていることだろう。


「別に好きな人なんていないし……」


そう言うあたしの声はとても小さくなっていた。


「嘘ばっかり。アズサを見てたらバレバレだよ?」


沙和にそう言われてあたしは目を丸くした。


うそ。


あたしそんなにわかりやすかった?


それじゃもしかして本人にもバレてるとか?
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