人面瘡
☆☆☆

病院を出た後もあたしの気持ちは休まらなかった。


本当にこの薬で治るのか、内科的な病気だった時はどうするのか。


不安がどんどん押し寄せて来る。


そんな中、雄生たちからメールが届いていることに気が付いた。


何度も病院へ行っているため、本当に心配させてしまっている。


あたしは申し訳ない気分になりながら1つ1つに返事をした。


その足で、あたしは内科へと向かった。


だけど、結果は異常なしだった。


膝の表面にだけ異常がみられるけれど、体はなんの問題もなく健康だ。


「気になるから切除手術を進めるけれど、問題ないならそのまま生活してかまわないから」


そう言われてしまった。


いっそ何かの病気だと診断される方が楽だった。


意味もわからずにこの傷と付き合い続けるなんて、息苦しい。


あたしは脱力した気分で学校へと向かったのだった。
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