人面瘡
安心
傷口がなくなった事であたしの心は晴れ晴れとしていた。


これでもう悩むものは消えたのだ。


術後はしばらく傷口が痛むそうだけど、それも気にならないくらいだった。


「アズサ、大丈夫だった?」


松葉杖を使ってゆっくりと廊下を歩いていると、後ろから春子がやってきてそう声をかけて来た。


「春子。ごめんね心配かけて」


「こっちは大丈夫だって。それより、傷口痛んだりしてない?」


「歩くとちょっと痛むけど、でも大丈夫だよ」


あたしは歩調を緩めてくれる春子へ向けてそう言った。


「そっか。それならよかった。しばらくは通院するんでしょ?」


「うん。一か月くらいは通院するんだって」


「結構長いねぇ」
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