人面瘡
通院期間中は体育の授業もご法度なので、しばらく体を動かす事もできない。


松葉杖だから動きもゆっくりだし、これじゃ運動不足になってしまうかもしれない。


そう思いながら教室へ入ると先に来ていた雄生が駆け寄って来た。


それを見た春子が気を利かして離れて行く。


「大丈夫かアズサ」


「大丈夫だよ」


そう言って笑顔を浮かべる。


雄生は家まで迎えに来ると言ってくれていたのだけれど、今日日直当番になってしまったため、一緒に登校することができなかったのだ。


「痛々しいな」


包帯が撒かれている足を見て雄生がそう言った。


以前よりも厳重に巻かれている包帯。


確かに、見た目だけで言えばとっても痛々しいと自分でも感じていた。

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