人面瘡
「包帯は半月くらいで取れるって。その後はガーゼだけになって、松葉杖もいらなくなるの」


あたしは雄生を安心させるためにそう言った。


「そっか。そこまで回復したら、デートに行くか」


スラッと言われた言葉にあたしは瞬きを繰り返した。


「雄生、今、なんて……?」


「デートに行くかって言ったんだ」


そう言いなおした雄生は照れたように赤くなっている。


「本当に?」


「嘘なんかつかねぇよ。だいたい、俺たち恋人だろ?」


確認するようにそう聞いてくる雄生に、あたしは何度も頷いた。


そうだよ、あたしたちは恋人だ。


だから2人で出かける時はデートなんだ。


あらためてそう感じると、途端に意識してしまって照れてしまう。


「絶対に、早く治すからね」


あたしはそう言って笑顔になったのだった。
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