人面瘡
☆☆☆

沙和が家にやって来たのはそれっから30分ほどしてからのことだった。


沙和も手には買い物袋を持っていて、お見舞いの品が入っていた。


「調子はどう?」


あたしの部屋でテーブルを挟んで向かい合って座っていると、沙和がそう聞いて来た。


「うん……。実は体調不良で休んだんじゃないの」


「え?」


沙和は驚いたように目を丸くしている。


「まさか、学校でなにか嫌な事でもあった?」


「ううん。そんなんじゃなくてね……」


そう言い、あたしは覚悟を決めて包帯に手を当てた。


傷の事を最初から知っている沙和になら本当の事を言える。


そう思い、包帯を解いていく。


「この傷、どう思う?」


そう言って傷口を見せると、沙和は一瞬息を飲んだ。


傷口はぱっくりと目を開けていて、沙和を見ている状態だ。
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