極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


とりあえず受付嬢が掛けるカウンターに向かっていく。

カウンターの左右には、大きなフラワーアレンジメントが飾れていて、春らしい白やピンクの花に視線を奪われた。

声を掛けてみようと思った時、「柏さん」と奥から知った声が私の名前を呼んだ。


「あっ、おはようございます」


足を止め目を向けると、現れたのは慶太さん本人だった。

そのすぐ後方には、ハワイで偶然に会った時や、初めてうちの式場で慶太さんと話した時に一緒だった女性の姿もある。


「出迎えられなくて申し訳ない」

「いえ、とんでもないです」


私のすぐ前までやって来ると、仕える女性は私に向かって頭を下げる。

それを目に、習って深く頭を下げた。

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