極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


一人の女性が前で話す最中、慶太さんが止めるように声を掛けた。

“長谷川さん”と呼ばれた女性はこちらに目を向け、「はい……」と、突然ストップをかけられたことに不安そうな表情を見せている。

話を聞いていた面々もこちらに注目し、ミーティングルーム内に緊張したような空気が張り詰めた。


「今話している谷口様、新婦側のお父様は式に出席することは可能になりましたか?」


挙式はチャペルでの教会式を希望され、この本社ビルのすぐに近くにある会場での披露宴を行うというカップル。

淡々と進められていたプランニング報告だったが、慶太さんの言葉に長谷川さんは一瞬口ごもる。

そして、「それが、まだ……」と重々しく口を開いた。


「そうですか」


慶太さんの声を最後に、部屋の中はしんと静まり返る。

チラリと横の慶太さんを見やると、手を口に当て、何か考えているような顔をしていた。


「では……谷口様のプランニング、柏さんに担当を替えさせていただきます」


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