極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


口を挟むものではないと思いながらも、長谷川さんの気持ちを思うと黙っていられなかった。

そんな時、私の言葉に被すように長谷川さんが口を開く。


「新婦様のお父様を呼べるなら、私に続けさせていただけますか?」


切羽詰まったような、必死な訴えだった。

緊迫した空気の中、慶太さんの次の言葉に誰もが息を呑み、注目しているのを感じ取る。

私自身もその緊張感にいつの間にかのまれ、ドク、ドク、と心臓が音を立てていた。


「……わかりました。でも一つ、条件があります。席次表を作成するまでに、お父様のご出席を確定させること。それが不可能な場合、その先のプランニングから外れてもらいます」


担当になったお客様のプランニングから外される。

そんな話、この業界では滅多なことがない限り有り得ないことだ。

慶太さんの提示した条件は、その場に居合わせた誰もを震撼させたようだった。

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