極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「柏です、ご両家に声掛け、完了です」

『――了解です、役者さんたちのスタンバイも完了です』

「了解――」


席を立ち上がるご両親を所定の位置に誘導していく。

私の動きを確認した桃ちゃんが司会者に合図をした。


「ご歓談中ではありますが、ここで、新婦、美陽様の懐かしい思い出を振り返っていきたく思います。皆様、会場左後方、屋外ガーデンにご注目ください」


いよいよ……始まる。

ご両親を誘導し終えた私は、その傍らで、始まったメモリプレイの演出と、それに目を向けたお父様を見つめていた。

役者さんたちの演技が始まると、お父様の表情が一瞬ハッと覚醒したように見えた。

当時の家族の写真をお借りして、ご両親、ご兄弟、美陽さん本人に激似の役者さんたちにオファーをかけた。

美陽さんと打ち合わせを重ねて台本を作り、当時の休日を再現した。

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