極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
突如彼の声に名前を呼ばれて、身体が静止してしまった。
あの時も今も、自分の事は名乗っていない。
それなのに、私の名前を知っている……?
緊張感で心拍が上がっていくのを感じていた。
「そのお話ですが、お断りさせていただいたはずです」
普段通り、丁寧な口調で対応する澄子叔母さん。
だけど、その声はどこか強張っているような、警戒しているように耳に届く。
一体、何の話をお断りだと言っているのか、そんな不安に駆られた時、澄子叔母さんを見る園咲さんの目が微かに細められたような気がした。
「それは、のどかさんを私にはくださらない、という、そちらの話でしょうか」
……え?
私の耳の聞こえが不良を起こしているのか。
そう疑うような言葉が耳に飛び込んだ。