極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
でも、園咲さんの目が次に捕えたのは呆然とする私の顔だった。
目が合うと、無表情だった彼の面持ちに舞い降りたように微笑が浮かぶ。
微笑みかけられても、恐怖のような感情が湧き起こるだけだった。
話が全く見えてこない。
見つめてくる彼の視線から助けを求めるように澄子叔母さんに目を向けると、澄子叔母さんはいつになく真剣な表情で真っ直ぐ彼を凝視していた。
「私は、のどかの気持ちを一番に考えています。この子には、結婚するという気持ちはないと聞いています」
「そうですか。それなら、我が社の傘下に入っていただけると」
え……えっ?
ちょ、ちょっと、結婚だとか、傘下に入るとな、一体なんの話?!
話が一人歩きしていて、話題の中心にされているらしいが全く掴めない。
我慢ならなくなって、「あのっ」と口を挟んでいた。