極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


こんなに紳士で穏やかな態度で接されているけど、これを言ったら突然顔色を変えて本性を現すかもしれない。

そんなことを言ったそばから予想した。


ハワイで初めて会った日。

無表情で私を見下ろしていたあの姿が脳裏に浮かぶ。

だけど、園咲さんはピクリとも頬を引攣らせない。

それどころか、温和な笑みでとなりの私へと顔を向け「食事をしながら話しましょうか」と言う。

そして、前菜用のフォークを手に取った。


「はい……では、いただきます」


私が習ってフォークを手に取ると、園咲さんは「お口に合えばいいのですが」と微笑む。


「それは……今回の話を受け入れてくださる、ということですか?」

「…………」

「私と一緒になってくれるのなら、あなたの望みは全て叶えるつもりです」

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