極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
そんな結婚をして、幸せにはきっとなれない。
こんな容姿の、まして大企業の社長なら、周囲の女性たちも放っておかないはずだ。
私は形だけの妻として存在して、外で本当に愛せる愛人を作ったり、そんなことも当たり前にあるかもしれない。
自分は一生、結婚はしないまま人生の幕を下ろすだろうと思ってきた。
そう思ってきたからこそ、“結婚はしていないもの”と思って、この話を受けることができるんじゃないかという考えに至った。
そんな考え、甘いかもしれない。
だけど、私に残された道はもうそれしかない。
「城社長の手掛けるウエディングは、うちにはない魅力があると思ってます。それを取り入れたい気持ちに偽りはない。だけどのどかさん、あなたは何か勘違いされているようですね」
「え……?」
「私は、あなたを幸せにしたいと純粋に思って、結婚を申し込んでいます」
横からの視線を受けて顔を向けると、園咲さんは柔和な表情で私を見つめていた。