極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


思わず身を乗り出す勢いで話に食いついた私を、園咲さんはクスッと笑う。

その笑った顔が初対面の時に見た真顔とかなりギャップがあって、垣間見たちょっと可愛らしい笑顔にまた心臓が跳ねてしまった。


「あなたがそんなに望んで喜ぶなら、私にとってそれ以上のことはない。では……」


そこまで言った園咲さんの手が、膝の上に置いていた私の手を不意に掴む。

指先を見るように彼の前に引かれると、跳ねた心臓がよりいっそう大きな音を立てた。


「俺と……結婚してくださいますね?」


今まで自分を“私”と言っていた彼が、自分のことを“俺”と言い換える。

それはビジネスではなく、一人の男性としての申し出。

そう感じてしまった途端、全身が心臓になってしまったように自分の鼓動に支配される。


「……ほ、本当に……私なんかと、結婚を……」

「あなたじゃないと、のどかさんじゃないとダメなんです。俺は、あなたを生涯幸せにしたい」


自分の手に軽く載せるようにした私の手をきゅっと握って、園咲さんは穏やかに微笑む。

光の降り注ぐ真っ白な空間で、私は吸い込まれるようにその微笑に魅せられていた。

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