極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
私の言葉に、園咲さんはじっと試すような目をして答えを待つ私を見つめ返す。
その目に負けじと視線を送り続けると、園咲さんはフッと笑って窓の外へと顔を向けた。
「それが、あなたの一番の望み……というわけですか」
「もちろんです。叔母の築いたあの式場は、誰のものでもない、叔母のものです。御社に……あなたに買収されるなんて、私は納得いきません」
やっと言えた。
今日言わなくてはいけなかったことをやっと口にでき、成就した霊のようにふっと気持ちが楽になる。
でも、それも一瞬のこと。
どんな返答が返ってくるのか身構える。
「わかりました。では、あなたの一番の望み、叶えましょう」
「え……」
「傘下に、という話は、取り止めにします。城社長には、変わらぬ経営をしていただくということに」
「ほっ、本当ですか!?」