極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「園咲様、お帰りなさいませ」


コンシェルジュの男性は手元から何かを用意し、園咲さんへと差し出す。

それを受け取った園咲さんは、手元の腕時計に目を落とすと「あと三十分ほどで来客がある予定なので、到着されたら知らせてください」と声を掛けた。

「かしこまりました」と男性コンシェルジュが頭を下げ、園咲さんに背を押される。


「行こうか」

「あ、はい……」


コンシェルジュカウンターの奥がマンションのエレベーターホールとなっていて、そこには六基のエレベーターが三基ずつ向かい合わせで並んでいた。


「本当に、ここに住まいを……?」


到着したエレベーターに乗り込むと、園咲さんは回数ボタン横にさっき受け取っていたカードキーをかざす。

そして、三十八階を指定した。


「ここは、二十階以上はカードキーを使わないと階数指定ができないようになっているから、覚えておいて」

「そう、なんですか……」

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