【完】今日から、お前は俺のモノ
トキメキ?……なんてね?
颯太と玲於が私達に渡したのは


特別席の招待券。


……なんで特別席なんか……

ま、ちょうどラッキー?かな

……なんか楽しみになってきた♪

「特別席だって〜なんかわくわくするね〜」

「うん!楽しみ!」


私達は招待券の裏側に書いてある地図を頼りに体育館の中を歩き回っていた。


……ってなかなか見つからないし…

もう探し回って15分。

「うーんどこだろ……」

美咲も難しい顔をして、
招待券とにらめっこ中。

「……あっ。めいは、
特に方向音痴なんだから、私から離れないでよ〜!」

……そうだった……
私、かなりの方向音痴だった……


「…うん美咲から離れないよう……




……ドンッ!!


「……っわ!!!」

……倒れるっ!!




……パシッ!



「っ!大丈夫!?!?」


……っ


……こ、転んでないっ……?



手首を見ると私はその人に掴まれていた。


「ごめんっ!怪我なかった!?」

わたしをかがんで見るこの人……




よく見ると……桜翔高校……!?


……!!しかも4番…キャプテン!!


「……あっ……大丈夫です……!」

「良かったぁあ」
そう言ってはぁ……とほっと肩を下ろす彼。


「って!これ激レアの招待券じゃん!!」

「……激レア!?」

「うん!!これめっちゃレアなヤツ!!」

招待券をまじまじと見てるし……

……この人……表情に出すぎ……


……!!

こういうのを顔に出てるって言うのかな!!





そしたら私、この人と似てるの……?





……ないない。



流石にこんなに顔に出てないよね……



「あ!俺、小日向 湊ね」

「……あっ!私は花咲めい!」

「ふぅん……めい!よろしくな!!」

そう言ってぎゅっと手を掴んで握手を
しだす湊……君。


……この人よく良く考えれば呼び捨てだし!


なんか私は君つけとこ……



「……うん!よろしく湊君!」

「えー、湊って呼んで!!」

「そんな初対面で…「やだ湊がいい」


……!!


また私の手を握りながら……!!


しかもなんかよくよく見たら




ーーーーーーすっごい美形……


って、じゃなくて!!

「湊君だから!!!」

「ま、俺はめいって呼ぶけどね〜」

「ちょっと……もうっ」


……なんかこの人といるとこの人のペースに流されるっていうか……


「ってこれあの綾瀬颯太からのなの!?」


あの綾瀬颯太って……

他校生にフルネームで知られるほど



ホント颯太何したの……

「……えっと……そうだけど」

「へぇ……付き合ってるの?」



「え!?!?私と颯太が?!」



この人……なんでそうなるの!!!



「っ付き合ってないよ!!」

「ふはっ!!全否定だなっ…!!」


そりゃそうでしょ……


「ま、こんなレアなのあげるって完全に
脈アリだろうけど……」



……脈アリ……?


……なにそれ…


「って来てるし!!」

「来てる……?何が……「それ、ここ曲がったらすぐだから!!!」




「……え「また会おうね、めい!!」



またって!!!っていうか……


来てるって……何が……


「あっ!!湊!!!」
「え!うそどこどこ!!!」


そう言いながら複数の女子が湊君を追いかけていった……

来たって……そういう来た、ね……





っていうか!!美咲!!



……うわっ!!あと5分で始まる!!



美咲、特別席にいるかも!!

特別席……そこを曲がって……


あっ!

曲がると「特別席」の三文字が
デカデカと書いてあった。


……よく私、気づかなかったな……



カチャ……



「めい!!!……よかった!!」

「美咲……!!ごめんね……!」

「もうっ!めいったら!心配したよぉ……
ほらほら!試合始まるよ!!」

「ごめんね美咲……楽しみだね!!」




周りを見渡すと特別席には二人分の席しかなくて、体育館全部を見渡せる、



凄い席だった……
< 84 / 186 >

この作品をシェア

pagetop