《短編》*さよなら、また明日*
『そうです。もう、いい加減帰ってくれますか』


「えーやだ!ここ、すっごく安心するしー楽しいもーん」


『ひとりでいて楽しかったんですか』


「ううん!キミのツッコミが楽しい!」

『僕、ウケとかいらないんですけど』


「えー?なんで?向いてると思うなあー」



人差し指で顎周辺をなぞりながら、笑顔で無邪気に話す彼女。


そんな彼女を無視して、僕は夕飯の用意をする。


そんな僕の姿を見て、不満に思ったのか彼女は、僕の服の裾を引っ張った。


『なに、』


「ねえ、あたしキミの名前知らないよ?」


『知らなくていいですよね』


「ううん!知りたい!だって、あたしずっとこの家に住み着く予定だよ?」


『住み着くな。帰れ』


「えー?ひどくない??」


『元々、僕はそのつもりだったんだけど』


「追い出すの?あたしを?」


『まあね。迷惑だし。しかも、キミ何歳?』


「16歳だよ?」


『僕と同じ歳じゃん。それだったら、尚更だめ。男女二人でひとつ屋根の下って常識的に、ね?』


「そうかな?そんな事ないと思うよ?」
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