彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました
「僕のお金を増やしてくれ」

突然、ひらめいたナイスアイディアを、僕は女神様に伝えた。

ーーーーーーいける。この願いなら、僕のお金はなくなることはない。そして、つぼみとも別れなくてもいい。

減ったお金が増え、つぼみと一生このままいられることを想像したら、自然と笑みがこぼれた。

「それは、むりだ」

「どうして?」

女神様に願いを拒否され、僕は焦った様子になった。

ーーーーーーどうして、むりなんだ。一万円神社に納めたら、どんな願いもかなえてくれるんじゃなかったのか?

一秒一秒つぼみと別れる未来に向かっている現実が、悲しかった。

「お金で、お金を増やすことはできない。そんなことしたら、一生彼女は転校することができなくなるからね」

「いいじゃないか?一生、好きな人と一緒にいられたら。なにが、ダメなんだよ」

僕は、自分勝手な愛情を口にした。

彼女に対する愛情が深すぎるせいか、僕の愛情は、ほぼ束縛にも近かった。

ーーーーーー彼女とは………つぼみとは別れたくない。だってこの先、こんなにも人を好きになることなんて、僕の人生でないと思うから。
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