彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました
「今回、僕がかなえる願いは、いつもより多いんだ」

開いた口から言った、僕の声は小さかった。

「たぶん、今回の願いで、僕のお金はすべてなくなる」

「三十万も、一気になにに使うの?」

僕の言葉を聞いて、女神様は目を丸くした。

「君のお金がなくなると、彼女は転校してしまうんだよ。後悔は………ないの?」

「ないよ」

僕は、即答した。

「じゃあ、どんな願い?」

女神様が、やんわりとした口調で訊いた。

「………デートがしたいんだ」

「え!」

「つぼみと、デートがしたいんだ」

自分の願いを口にした瞬間、僕の頬が熱くなったのを感じた。

お金で好きになってもらうのはどこか罪悪感はあったが、どうしてもつぼみとデートがしたかった。
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