『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由


「温めてくるから座って?」

「うん。てかなんか辰巳さんの服、貸してくれないか?制服脱ぎたい。」


キッチンで準備をしていると、頭をかきながら顔を覗かせる。


「えっ、、!そう、、だよね。でも、その、、、。もう少しだけそのままじゃ、、駄目?いお兄の制服姿、今日が最後だから。もう少し見てたい、、なんてっ、、、?」


恥ずかしそうにモジモジとする美鈴に、伊織は急に向きを変え背中を見せる。


「分かった。ならあと少しこのままで、、、いるから。それでいいだろ。」




何事も無かったかのようにソファーに座る伊織に思わず笑みが溢れた。




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