『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
「もう、、、帰っちゃうの、、?もう少しだけ、、いて欲しい、、、、。明日からもう、、会えなくなっちゃうのに、、寂しいよ、、。」
「っ、、、、!」
思いっきり手を振り払われ、美鈴は下を向く。
盛大な溜息をつく伊織。
「、、、分かれよ。頼むから。」
聞いたことのない悲痛な言葉に戸惑いながらも、今度は両手でガッチリと大きい腕を握る。
伊織にとっては妹と離れるだけという感覚だろうが美鈴は違う。
これくらいの我が儘くらいいいじゃないか。
どうせ家も二軒隣なんだから帰ってからでも準備だって出来る筈だ。