『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
ぎゅーと手に力を込めると、
伊織の舌打ちと共に視界が揺れた。
気づけば抱き上げられ、美鈴の部屋へと連れて行かれる。
昔はよくこの部屋で遊んだ。
中学に入った頃から、部屋で遊ぶのを嫌がるようになった。
美鈴を抱きかかえたまま片手で軽々とドアを開け、シングルベットに降ろされた。
「え、、?いお兄、、?どうしっ、、、!」
伊織の顔が近づいたと思えば、唇に柔らかい感触を感じた。
あまりにも突然の事で、目は見開いたままだ。
最初はゆっくり押し当てられ、角度を変えて何度も啄まれた。