『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
居留守するわけにもいかずに、美鈴は玄関のドアを開けた。
綺麗な女性は一瞬驚いて、それから上から下まで美鈴を流し目で見た。
そして鼻で笑う。
「こんにちわ。妹さん、、じゃないわよね?だって全然似てないもの。伊織さんの遊びの相手?、、、それにしても地味な人。中の下ってとこかしら。」
他人に言われなくても分かってる。
伊織に見合う人間じゃないって事。
「こんにちわ。失礼ですが、どなたでしょうか?いお兄のお知り合いですか、、?」
「いお兄、、?もしかして貴方、、、噂の幼馴染?こんな所まで押しかけて残念な人ね?私は嘉川商事の嘉川 沙知よ。名前くらい知ってるでしょう?」
眉間にしわを寄せ、目を釣り上げた。
名前を聞いて、誰か分かってしまった。