『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由

涙目になりながら、
靴を履いていると左の腕を掴まれた。

「まさか、、、病院行ってないのか?」

「あ、、、大丈夫。これくらい生活に支障もないし料理だって普通に、、、。」

眉間にしわを寄せ、
睨みつけられ思わず下を向く。




「ねぇ、、私の事無視しないでくれない?わざわざ調べて会いに来てあげたのよ。あの情熱的な夜を忘れたの?私も、、、今までいろんな男に抱かれてきたけどあんなに乱れたのは貴方が初めてよ、、?貴方もそうでしょう?だから結婚しましょう。身体の相性って大事だもの。貴方も嘉川商事とより深い関係になって損はしない。遊びたいなら好きに遊んでいいのよ?私も自由に遊ばせて貰うわ。どう、、、悪くはない条件でしょう?」


美鈴の左の手首をじっと見つめていた伊織が、深い溜息をついた。


「頭が、、、可笑しいのか?結婚もしないし、お前とはもう関わることはない。」
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