『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由


沙知は冷や汗を流し、後ろに下がる。


「あ、あ、頭可笑しいのは貴方のほうよっ!貴方なんてこっちから願い下げよっ、、、!!」

そう言ってバタバタと出て行く。

しんと玄関が静まり返り、伊織は服から手を離す。



「、、、えっと、服借りました。、、、ごめんなさい。他に着れそうなもの無かったから。」

おずおずと声をかけるが、返事がない。


「きょ、今日は早かったんだね?、、、帰ります。ご飯出来てるからよかったら食べてね。」

そう言ってドアノブに手をかける。



すると後ろから抱きしめられた。


「えっ、、?!どうし、、、!」

「ごめん、、鈴。帰るな 、、、。」

ぎゅうぎゅう伊織の腕に力が込められる。
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