『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
背中があったかくて、伊織の匂いとその温もりに安心する。
暫くの間、無言で抱きしめられた。
そしてゆっくり体を反転させられ、伊織の手が左手を優しく触れた。
「傷つけてごめん、、、。痛かったよな。手だけじゃなくて、身体も。それに、、、精神的にも本当に、、、ごめん。」
眉を下げて痛々しい顔をした。
自分よりも伊織の方が痛そうだ。
「いお兄?大丈夫だからもう悲しまないで、、、?それよりお腹空いてない?沢山作ったのっ!一緒に食べようよ。、、、ね?」
「食べる前に話。」
そう言って優しく手を引いてリビングへと美鈴を連れてゆく。
そしてソファーに腰を下ろして、横に座るように促された。