『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由
ロビーに降りると玄関先に一台の車が見えた。
運転席から男性が降りてきて、
美鈴に近づいてくる。
「こんばんわ。増田美鈴さん、お迎えに来ました。こうして食事に行けるなんて光栄です。」
優しく嬉しそうに笑う男性。
少し父親に似た雰囲気のその人は、手を差し出した。
手を取ろうか迷っていると、慌てて言葉を付け足した。
「名も名乗らずにすみませんっ!前社長の神崎暁人さんからご紹介して頂きました。東 信一です。待ち遠しいかったものでついっ、、、!」
照れたように笑う男性に、思わず笑う。
「いいえ、こちらこそ今日は宜しくお願いいましたます。」
美鈴は、小さく頭を下げた。