泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】
家に帰って、私は、罪悪感に襲われた。
とっさに息を飲んでしまったのが悪かった。
いっそ叫んでしまえれば、どれほど楽だったか。
私が2回目にキッチンに行ったとき、
『ごちそうさま』
と、書かれた紙が、食器棚にあった。
それは、おやつが乗っていただろう皿に、
さも当然というように座っていた。
それはセンのいつもの、ほほえましいイタズラのひとつ。
しかし、今、心が揺れ動いてしまっていた私には、何とも残酷なことをしてしまった、そんな感情しか抱けなかった。
「ごめんなさい・・・・」
言葉は、口からこぼれでた。
謝ってどうにかなるとも思ってはないけど、
閉じたくちびるの間から、
するり、と抜け出した。
でも、
私はなんで、謝っているんだろう。