別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー
最上階へは初めて足を踏み入れる。
そもそもこの階で合っているんだろうか。
社長室ってどこにあるんだろう。
挙動不審になりながら、高級ホテルのような扉がたくさん並ぶ中で社長室のプレートを見つけて足を止めた。
メール…『社長室前に来て』って書いてなかったっけ?
『社長室に入って』とは書いていなかった気がする。
いや、でも呼び出されているんだったら中に入ったほうがいいんだろうか。
どうすればいいものか逡巡していたら、廊下の向こうから靴音が聞こえてきた。
長身の彼は急ぐ様子もなく、私にひらひらと手を振った。
「お疲れ様。時間ちょうどよかったね。
返信がなかったから見てなかったらどうしようと思ったけど」
相変わらずのんきに微笑む晴くんに、脱力しながらため息が漏れる。
「ギリギリお昼前に見たんです。
私が見てなかったらどうするつもりだったんですか?」
「うーん、だってプライベートのスマホはお昼休みにしか見ないタイプなんじゃないかなーって思って」
間違ってはいない。スマホは基本的にデスクの中に入れっぱなしだ。
仕事が忙しければ昼休みにだって見るかどうかも危うい。
そもそもこの階で合っているんだろうか。
社長室ってどこにあるんだろう。
挙動不審になりながら、高級ホテルのような扉がたくさん並ぶ中で社長室のプレートを見つけて足を止めた。
メール…『社長室前に来て』って書いてなかったっけ?
『社長室に入って』とは書いていなかった気がする。
いや、でも呼び出されているんだったら中に入ったほうがいいんだろうか。
どうすればいいものか逡巡していたら、廊下の向こうから靴音が聞こえてきた。
長身の彼は急ぐ様子もなく、私にひらひらと手を振った。
「お疲れ様。時間ちょうどよかったね。
返信がなかったから見てなかったらどうしようと思ったけど」
相変わらずのんきに微笑む晴くんに、脱力しながらため息が漏れる。
「ギリギリお昼前に見たんです。
私が見てなかったらどうするつもりだったんですか?」
「うーん、だってプライベートのスマホはお昼休みにしか見ないタイプなんじゃないかなーって思って」
間違ってはいない。スマホは基本的にデスクの中に入れっぱなしだ。
仕事が忙しければ昼休みにだって見るかどうかも危うい。