少年少女宇宙航行記
誓い
彼が生まれたのは古い木造の病院だった。
両親の仕事の都合で田舎に住んでいた。

彼が物心つく頃には都会に移り住み、たくさんの人がいることに驚いた。

小学校に入ると、彼が最初に習うのは歴史だった。

時は2100年。人類は三度目の世界大戦で人工は一億人まで減少し地球上の8割の陸と5割の海が汚染され、いまだに立ち入ることはできない。

そんな世界で戦争を反省した世界は人類の絶滅を防ぐために国を一つに統合し英語を共通語として、極東の島国に住んでいた。

この土地にはかつて一億二千万人の人達が住んでいた。大国の虐行によって8割の人が死んだ。

そんな世の中に絶望している少年こそがこの物語の主人公のジュピター=レンズ。
4月6日。新学期の始まりの日だった。今年から中学生になった13歳だ。

学校の帰りに倒れている男を見つけた。きっとカッとなって制限がかかったのだろう。

この国では二十歳になると手首にチップを埋め込む手術を受けることが義務付けられている。

このチップは位置情報だけでなく筋肉や血液等から心理状態を割り出し筋肉を機能停止することで犯罪を未然に防いでいる。

これにより犯罪は完全になくなった。

その人はしばらくするとゆっくりと起き上がった。
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