少年少女宇宙航行記


一息つかないタイミングで、彼の後ろから聞き慣れた声が近づいて来た。

「レンズー!一緒に帰ろ!」
後ろから鎖骨に親指が引っ掛かる形で肩を組んできた。 

彼女は幼なじみのナルミ=キルトだ。物心つく頃から一緒にいる彼女には彼は抵抗は無い。この頃になって恥じらいというものを知って始めて人前てこのようなことをすることに抵抗を感じた。
しかしナルミは誰がどうみても幼く、中身も同じだ。

「なぁナルミ、あんまりくっつくと恥ずかしいだろ。そういうのは帰ってからにしてよ。」

「いいじゃん。幼なじみなんだし。」
と、言いながらナルミは肩に密着して寄っ掛かっていた。
「仕方ないな」
彼はナルミの後頭部に手を優しく乗せた。
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