少年少女宇宙航行記
その頃、ナルミとその仲間はパソコンを怪しげな機械に繋いで猛然と何かをしていた。


これは全国の地上波回線に侵入している。
テレビで一斉に試験をするのだ。
それをコンピューターで集計し、一万人を選ぶ。


選考は一般教養と、作文によって行われる。


モニターに表示された受験者数のカウントは1200万。倍率は1200倍と、非常に高くなっている。


ナルミはため息をこぼしながら言った。


「高校受験のとき、1.2倍でビクビクしてた自分がバカみたい。しかも今回は背負ってるものがまるで違う。私たちは残酷なことをしてるんだね…」



「あぁ、この世は残酷だ。残酷で理不尽
で、そして醜い。だから俺たちはこの世の果てに行く。そのためには理不尽も何もかもを全てをはね除ける人材が必要だ。」


キルトは感情を圧し殺して頭の外にある事実を口にする。
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