イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「お前、好きな男いるの?」
「いるよ、一応」
「誰? 同じ会社のやつ?」
「か、関係ないでしょ」

詮索するように問われ、頬が熱くなる。
ごまかすようにわざとぶっきらぼうに言ってそっぽをむく。

「じゃあ、わざわざ幼馴染の俺に頼まないで、その男に抱いてもらえばいいだろ」
「そ、それはそうなんだけど……」

嘘をつくたびに長く伸びていくピノキオの鼻のように、私の唇は言い訳をするたびに前へ前へととがっていく。

「私みたいな地味な女が、『好きです、抱いてください』なんて言えるわけないし。そんな簡単な話じゃないんだもん……」

アヒルみたいにとがった唇で言うと、拓海はバカな私を軽蔑するように、形のいい眉を片方だけ上げた。

「もしかしてその男、『処女は面倒だから付き合いたくない』とかいうタイプなわけ?」
「……うぅ」

これでもかってほどおおきなため息をつかれ、私は唇を尖らせたままうなだれる。


 
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