イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
やっぱりこんな突拍子もないお願い、無理かな。
付き合ってもいない相手に、突然抱いてくださいって頼むなんて、どう考えてもおかしいよね。
拓海のするどい視線に見つめられると居心地が悪くて、こんなことを頼んだ自分がどうしようもないバカに思えてくる。
「や、やっぱりいいやっ!」
沈黙に耐えきれなくてそう叫んだ私を、拓海が険しい顔で見下ろした。
「は? いいってなんだよ」
「拓海にこんな迷惑かけられないし、ほかの人に頼むからもう忘れて!」
諦めて帰ろう。
この気まずい空気から一刻も早く逃げ出したい。
そう思った私は早口で言いながら立ち上がる。
しかし、リビングのドアから出ていこうと拓海に背を向けた瞬間、後ろから乱暴に腕をつかまれた。
「待てよ」
長い指が強く私の腕を掴み、引き留める。
驚いて振り向くと、不機嫌な顔をした拓海が私を睨んでいた。