イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
その日仕事を終えてから、預かった鍵を使って拓海の部屋に入る。
スーパーで買ってきた材料をとりあえず冷蔵庫につめ、まずはお米の準備からはじめようと手を洗っていると、玄関から扉を開く音がした。
キッチンから廊下の方を覗くと、スーツ姿の拓海が部屋に入ってきたところだった。
「あ、早かったね」
今日は残業なかったのかな。
そう思いながら声をかけると、私の姿を足元から頭までまじまじとながめた拓海が不機嫌そうな顔をする。
「相変わらず、色気のない恰好だな」
「わるかったわね」
今日の格好はボーダーのカットソーにロングカーディガン。そして足首丈のデニムだ。
確かに色気なんて微塵もない。
むっとして睨みかえすと、拓海が広い歩幅でこちらに近づいてきた。
突然距離を詰められ驚いていると、背中を冷蔵庫に押し付けられた。
自由を奪われ、至近距離で見下ろされ、驚いて息をのむ。