イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「拓海……?」
戸惑いながら名前を呼ぶと、鋭い視線に睨まれた。
「お前さぁ、この前川口さんと一緒に買い物してたな」
そう言われ、拓海が誤解をしていることに気付く。
川口さんと買い物をしていたんじゃなく、スミレさんと買い物をしていて、川口さんは荷物を運ぶために車で来てくれただけなのに。
私なんかとふたりで仲良くお買い物をしていたなんて誤解されたままじゃ、川口さんに迷惑だろう。
「あれは、そうじゃなくて……」
説明しようと首を横に振ると、拓海の表情に苛立ちがました。
「あいつの好みの服を買って、あいつに気に入られようと思ってんの?」
なんで私が川口さんの好みの服を買わないといけないんだ。
拓海の言っていることがわからなくて、困惑しながら首をかしげる。