イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「わかった」

そんな私の耳元で、拓海が不機嫌そうな口調のままでつぶやいた。

「俺が相手してやるよ」
「へ……?」

驚いて眼鏡のフレームがずり落ちた。
裸眼のぼやけた視界で拓海のことを見上げ、瞬きを繰り返す。

自分でお願いしたことだけど、心のどこかでどうせ断られるんだろうなと諦めていたのに。
まさか拓海が真面目に私の相手をしてくれるなんて思ってなくて、ぽかんと口が開いてしまう。

「い、いいの……?」

戸惑いながら確認すると、再び大きなため息をついて拓海が顔をしかめた。

「お前危なっかしいから、誰彼構わず抱いてくださいってお願いして、タチの悪い男につかまりそうだし」

思い切りバカにされてる。
鼻の上の眼鏡を押し上げながらむっとして頬を膨らませると、拓海はからうように笑った。

そして、私の腕を掴んだまま歩き出す。
手を引かれ、リビングに面したドアを開けベッドルームに連れていかれた。


 
< 14 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop