イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「でも、幼馴染みで会社もいっしょで、そうやってそばにいたら諦められない気持ちもわかるなぁ」

しみじみとつぶやいたスミレさんに向かって、川口さんがおもむろに口を開いた。

「告白しないからいつまでも諦められないんじゃないか?」
「え?」

突然の言葉に、スミレさんとふたりで首をかしげる。

「相手に彼女がいるからとか、自分は地味だからとか、逃げる理由をならべたらきりがないだろ。どうすれば彼女よりも好きになってもらえるかって前向きな考え方ができるようにならないと、きっと佳奈ちゃんはいつまでもそのままだよ」

川口さんの正論が胸に突き刺さる。確かにそのとおりだ。

「仕事でもそうなんだけど、やらない言い訳を並べるのは楽なんだよ。冒険せずにその場にいれば大きなリスクを背負わずに済む。でもやらない理由を探すよりも、どうやったらできるのかを考えるようにならないと、いつまでも変われない。自分にできることはやったんだと思えたら、告白して振られたとしてもすっきり諦められると思うけど?」


 
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