イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「だって、拓海、なんかすごく機嫌悪いんですもん……」

あんな拒絶オーラを出されたら、怖くて近づけないし話しかける隙なんてない。
しょんぼりしながら拓海に背を向け個室を見回す。

同期の子なのか、仲のいい女の子と楽しげに話をしていたスミレさんと目が合うと、笑顔でファイティングポーズを送られた。
『がんばって、告白しなよ』というエールだろう。

ごめんなさい、スミレさん。そのエールに答えられる気がしません。

「まぁ、佳奈ちゃんが突然こんなに可愛くなって飲み会に来たら、窪田が不機嫌になる気持ちもわかるけどな」

くっくっとのどの奥を鳴らしながら、川口さんが私の肩越しに拓海を眺める。
戸惑いながら川口さんを見上げると、優しく微笑みかけられた。

「佳奈ちゃん、もっと自信をもっていいよ。佳奈ちゃんは本当に可愛いから」
「いやいやいやいや……」

慌てて首を左右に振ろうとすると、両手で後頭部を優しく抑えられ至近距離でみつめられる。


 
< 160 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop